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フランチェスコ・メーリ
新たなレパートリーによる待望のリサイタル
水谷 彰良(音楽研究家)
フランチェスコ・メーリが2年ぶりに日本でリサイタルを開く。ここ数年の彼の活躍と成長を知るオペラ・ファンにとって、待望の再来日だ。22歳でデビューし、破竹の進軍を続けるメーリも今や30歳、もはや〈新進気鋭〉〈彗星のごとく現れた〉の文字は似合わない。彼は25歳にしてとびきりの逸材として世界の劇場にひっぱりだことなり、2008年秋のロッシーニ・オペラ・フェスティヴァル来日公演《マホメット2世》でも、その力強く逞しい歌唱が鮮烈な印象を残したからだ。
セクシーな第一声で聴き手を即座に魅了し、フレーズ一つ一つに込める繊細な表現によっても心を捉えるメーリ。彼の強みはロッシーニ、ベッリーニ、ドニゼッティに適した装飾技巧と柔軟・流麗な唱法に加え、男性的な声と情熱的な歌い方にある。その特質はロマンティック・オペラを突き抜けてヴェルディやプッチーニにも有効だから、レパートリーがベルカントからヴェルディにシフトするのも時間の問題だった。それゆえ2009年のメイン出演が《第一次十字軍のロンバルド人》《リゴレット》《ラ・トラヴィアータ》となったのである。こうした転換は、同年9月の日本初リサイタルの曲目──ヴェルディ、チレーア、マスネ、ドリーブのオペラから選曲──にも表れていた。デビューから10年と短い、彼のキャリアを振り返ってみよう。
フランチェスコ・メーリはイタリア北西部リグーリア州の州都ジェノヴァに生まれた。同地のパガニーニ音楽院に入学してソプラノ歌手ノルマ・パラシオスに師事し、高名なテノール歌手ヴィットーリオ・テッラノーヴァの教えも受けた。「歌のためにすべてを犠牲にした」と述懐するほど打ち込んだ甲斐あって頭角を現すと、2002年、22歳でスポレート音楽祭のヴェルディ《マクベス》、ロッシーニ《小荘厳ミサ》、プッチーニ《グローリア・ミサ》によりデビューを果たす。そして直ちに才能を認められ、最初の3年間にリスボンの《マノン・レスコー》、ボローニャの《愛の妙薬》と《夢遊病の女》、ジェノヴァの《フィデリオ》《愛の妙薬》《ドン・パスクワーレ》、パルマの《セビリャの理髪師》、フィレンツェの《コジ・ファン・トゥッテ》などに出演、その間にムーティ指揮《カルメル会修道女の対話》でミラノ・スカラ座にもデビューした。
2005年にはペーザロ・ロッシーニ・オペラ・フェスティヴァルの《ビアンカとファッリエーロ》で脚光を浴び、パリとバレンシアに《ドン・ジョヴァンニ》でデビュー、スカラ座の《イドメネオ》にも出演した。名声を確立した2008年には《コジ・ファン・トゥッテ》(ムーティ指揮)でウィーン国立歌劇場にデビュー、ミラノ・スカラ座の《マリア・ストゥアルダ》、パリの《ファルスタッフ》、ヴェネツィアとウィーンの《セビリャの理髪師》、ボローニャの《ランメルモールのルチーア》を歌ったほか、ロッシーニ・オペラ・フェスティヴァル《マホメット2世》での初来日も果たした。
転換期となる2009年には《リゴレット》でコヴェントガーデン王立歌劇場にデビュー、マドリードでも同役を務め、パルマで《第一次十字軍のロンバルド人》、トリノで《ラ・トラヴィアータ》に出演、ヴェルディ歌手として高い評価を受けた。今年(2010年)4月にはパルマでマスネの《ウェルテル》に出演、その「輝かしい高音、驚異的なメッザ・ヴォーチェ(弱声)」で聴衆を熱狂させ、マチェラータ・オペラの《第一次十字軍のロンバルド人》でも大成功を収めた。
筆者は2005年から毎年メーリの舞台に接し、その成長ぶりに目を見張ってきたが、今年8月にペーザロで聴いたリサイタルでは、リストの「ペトラルカの三つのソネット」を含む意欲的なプログラムと精妙な歌の表現に感銘を受けた。9月には《リゴレット》マントヴァ公爵で待望のメトロポリタン歌劇場デビューを果たし、11月のジェノヴァと翌2011年1月のメトロポリタン歌劇場では《ラ・トラヴィアータ》に出演を予定する。その余勢を駆っての来日リサイタルとあれば、おのずと期待も高まろう。メーリの新境地と円熟ぶりも、そこで証明されるにちがいない。
ドニゼッティ:《ポリシポの夏の夜》~ “舟人”
G.Donizetti : 《Nuits d’ été à Pausilippe》~ “Il barcaiolo”
リスト:ペトラルカの3つのソネット
F.Liszt : 3 Sonetti del Petrarca
アウテーリ-マンゾッキ:愛の炎(二重唱)
S.Auteri-Manzocchi : Fiamma d’ amore (Duo)
グノー:《ロメオとジュリエット》~ “ああ、太陽よ昇れ”
C.F.Gounod : 《Roméo et Juliette》~ “Ah! léve toi soleil”
マスネ:《ウェルテル》~ “春風よ、なぜ私を目覚めさすのか”
J.Massenet : 《Werther》~ “Pourquoi me réveiller, ô souffle du printemps”
プッチーニ:《ラ・ボエーム》~ “私の名はミミ” ♥
G.Puccini : 《La Bohème》~ “Sì, mi chiamano Mimi” ♥
ヴェルディ:《ルイザ・ミラー》~ “穏やかな夜には”
G.Verdi: 《Luisa Miller》~ “Quando le sere placido”
プッチーニ:《ラ・ボエーム》~ “愛らしいおとめよ”(二重唱)
G.Puccini : 《La Bohème》~ “O soave fanciulla”
他
演奏家の希望により、曲目等公演内容に変更が生ずる場合もございます。
あらかじめご了承ください。
※未就学児童の入場はご遠慮ください。
フランチェスコ・メーリ
テノール・リサイタル
2011年2月24日(木)
Thursday, 24 February 2010 at 7p.m.
東京オペラシティコンサートホール
タケミツメモリアル
Tokyo Opera City Concert Hall
Takemitsu Memorial
スペシャル・ゲスト:
セレーナ・ガンベローニ
Special Guest:Serena Gamberoni
ピアノ:浅野 菜生子
Piano:Naoko Asano
チケット発売日
| 友の会優先発売 | :好評発売中 |
|---|---|
| DM会員優先発売 | :好評発売中 |
| 一般発売 | :好評発売中 |
チケット価格
S:¥11,000
A:¥8,000
B:¥6,000
お問い合わせ・お申し込み
チケットぴあ(Pコード 120-664)
0570-02-9999
イープラス
http://eplus.jp
東京オペラシティチケットセンター
03-5353-9999
東京文化会館チケットサービス
03-5685-0650
東京芸術劇場チケットサービス
03-5985-1707
後援:
イタリア文化会館
協力:
アリタリア-イタリア航空
主催:
東京プロムジカ

